
東京都台東区にある旧岩崎邸庭園へ行ってきました。洋館の豪華な内装や木彫りの装飾、和館の日本庭園など、建物の中も外も写真を撮りながら回っていきます。
御徒町駅から旧岩崎邸庭園へ向かう途中、大きな白いマンションが見えてきました。
こちらは湯島ハイタウンです。昭和40年代に建てられた大規模マンションで、道路に沿って長い建物が続いています。
かなり大きく、なかなか存在感がありますね。

マンションの裏側に回ってみました。同じ形の窓が整然と並び、外壁にはエアコンの室外機がびっしりと取り付けられています。
一般的なマンションのような張り出したベランダがなく、独特の外観をしています。

気になったので、エアコンの室外機を望遠で撮影してみました。外壁に取り付けられた金具の上に室外機が設置され、配管も壁に沿って伸びています。
それにしても、こんな場所にどうやって取り付けるのでしょうか。通常のエアコン業者ではなく、やはり専門の作業チームが行うのでしょうか。

歩いていくと、旧岩崎邸庭園の正門に到着しました。入口には大きな案内板があり、奥には石垣と緑の木々が続いています。
2016年は旧岩崎邸庭園の開園から120年ではなく、洋館完成から120年にあたる年で、記念イベントの案内も掲示されていました。

入口にあった園内案内図です。敷地の中央には広い芝庭があり、その横に洋館、和館、撞球室(ビリヤード室)が配置されています。
旧岩崎邸庭園は三菱の第3代社長だった岩崎久彌の本邸として、1896年(明治29年)に建てられたそうです。
かつては約1万5,000坪の敷地に20棟もの建物がありましたが、現在残っているのは洋館・和館大広間・撞球室の3棟とのことです。
旧岩崎邸庭園の洋館を見学

入園券を購入して、洋館の前までやってきました。白い外壁には細かな装飾が施され、中央にはドーム状の屋根を持つ塔があります。
手前の芝生にはヤシの木が何本も並んでいて、少し南国のような雰囲気ですね。この洋館を設計したのは、鹿鳴館などを手がけたイギリス人建築家のジョサイア・コンドルだそうです。

それでは洋館の中に入っていきます。入口には重厚な木製の扉があり、上部や両側には幾何学模様の装飾ガラスがはめ込まれています。
床には赤い絨毯が敷かれ、正面には木製のアーチが続いていました。

洋館に入ると、立派な暖炉がありました。木製のマントルピースにはアーチ状の装飾や柱が彫り込まれ、暖炉の内側には緑色のタイルが使われています。
近くには建物の歴史や間取りを紹介するパネルも置かれていました。

こちらは洋館の廊下です。天井まで伸びた木製のアーチが並び、壁は黄色、床には赤い絨毯が敷かれています。
窓から差し込む光で、廊下の奥まで明るくなっていました。

廊下を別の方向から撮影。こちらは少し暗いですが、天井を見ると木材が複雑な形に組まれています。
壁際には展示ケースや暖炉があり、奥の扉から外の光が差し込んでいました。

ホールには大きな生け花が飾られていました。ピンク色のカラーやカーネーションなど、いろいろな花が使われています。
後ろには大理石の暖炉があり、花を照らすように照明も設置されていました。

先ほどの暖炉を近くから撮影。こちらは灰色の大理石で造られていて、暖炉の内側には細かな幾何学模様のタイルが使われています。
最初に見た木製の暖炉とは、ずいぶん雰囲気が違いますね。部屋によって暖炉のデザインまで変えられているのが面白いです。

続いて別の部屋へ。こちらには白い大理石の暖炉があり、壁には細かい植物模様の壁紙が使われています。
窓際には黒いピアノも置かれていました。天井の木枠や丸い照明も、先ほどの部屋とは違うデザインです。

こちらの部屋では、「日本の近代建築の夜明け」という映像を見ることができました。赤い壁紙と木製の腰壁が印象的な部屋で、中央には映像を見るための長椅子が並んでいます。
洋館の歴史を知ることができるので、見学の途中で立ち寄ってみました。

天井を見上げると、見事な木彫りの装飾がありました。中央には円形の彫刻があり、その周囲には植物の葉や花をモチーフにした模様が広がっています。
天井の隅まで細かく装飾されていて、かなり手の込んだ造りです。

廊下の窓の下には、古い暖房器具が設置されていました。こちらは温水暖房用のラジエーターです。
細長い金属製の放熱器が何枚も並び、表面には花のような模様が施されています。暖房器具まで装飾されているんですね。

洋館の窓際には、3脚の革張りの椅子が並んでいました。木製の背もたれや肘掛けには彫刻が施され、座面の革にはかなり使い込まれた跡があります。
窓の向こうには広い芝庭が見え、ここに座って庭を眺めていたのでしょうか。
階段の木彫りと2階の部屋を見学

2階へ向かう階段の近くに、細かな模様が彫られた柱がありました。花や葉、曲線を組み合わせた装飾が柱全体に施されています。
かなり近くまで寄って撮影してみました。こうした木彫りの装飾は、洋館に取り入れられたジャコビアン様式の特徴の一つだそうです。

こちらが2階へ続く階段です。階段には赤い絨毯が敷かれ、木製の手すりにも細かな彫刻が施されています。
階段の下には装飾ガラスの窓があり、外から光が差し込んでいました。

2階の部屋にやってきました。壁には細かい模様が入った金唐革紙(きんからかわし)が使われています。
窓には厚手のカーテンが掛かり、床には赤い絨毯が敷かれていました。壁紙をよく見ると、普通の印刷とは違った立体的な模様になっています。

こちらは金唐革紙を実際に手で触れられる展示です。植物の葉や曲線を組み合わせた模様があり、表面には細かな凹凸が付いています。

先ほどの金唐革紙をさらに近くから撮影。葉や渦巻き状の模様が立体的に浮き上がっていて、細かな線まで表現されています。
これだけ細かい模様を和紙で作っているとは驚きです。

2階の奥には、三方向に窓が並んだ部屋がありました。窓から庭園の木々が見え、中央には小さなテーブルと椅子が置かれています。
左側には大理石の暖炉もあり、赤い絨毯と淡いピンク色の壁紙が印象的な部屋です。

隣の部屋にやってきました。こちらは金色の植物模様が入った壁紙で、先ほどの部屋とは違った雰囲気です。
白い暖炉と淡い緑色の天井も特徴的で、壁紙の色によって部屋の印象がずいぶん変わりますね。

2階のベランダに出てみました。太い柱が等間隔に並び、手すりには細かな植物模様の装飾が施されています。
このベランダは東南アジアなどで発達したコロニアル様式を取り入れているそうです。
かなり奥行きがあり、庭園を眺めながら歩けるようになっていました。

2階のベランダから庭園を見下ろしてみました。広い芝生では、保育園の子どもたちでしょうか、小さな子どもたちが遊んでいました。
庭園の向こうには、先ほど通ってきた湯島ハイタウンの大きな建物が見えます。洋館から見ると、かなり近くに建っているんですね。

廊下の一角には、円形のテーブルと2脚の木製椅子が置かれていました。椅子の背もたれには花や鳥のような模様が入っています。
テーブルの上には赤い実を中心とした秋の飾りが置かれ、部屋のアクセントになっていました。

こちらは扉にはめ込まれたステンドグラスです。上部は半円形で、緑色や青色、黄色のガラスを組み合わせた花模様になっています。
扉の下の部分にも同じ模様が使われていて、なかなか凝ったデザインです。

見学を終えて、再び洋館の廊下へ。木製のアーチや天井の装飾を見ながら、入口の前を通り過ぎて和館へと向かいます。
改めて見ると、廊下だけでもかなり手の込んだ造りですね。
和館の廊下と日本庭園

洋館から和館へ進むと、廊下の雰囲気ががらりと変わりました。赤い絨毯から畳敷きの床になり、両側には木製の障子戸が並んでいます。
天井には竹細工のような照明が下がり、ここからは日本家屋の空間が続きます。

廊下の窓から中庭を覗いてみました。小さな庭には石灯籠と手水鉢があり、地面には緑色の苔が広がっています。
周囲は竹垣で囲まれ、飛び石や庭石も配置されていました。洋館の広い芝庭とは違い、こちらは小さな空間に日本庭園が造られています。

和館の廊下には、大きな生け花が飾られていました。ピンク色や白色の菊など、秋の花がたくさん使われています。
障子戸の並ぶ廊下に花が置かれ、洋館とはまた違った飾り方になっていました。

和館の中には、売店を兼ねた御茶席がありました。畳敷きの広い部屋にテーブルが置かれ、庭園に面した障子戸は開け放たれています。
外の芝庭を眺めながら、お茶や甘味をいただけるようです。

せっかくなので、売店でおしること抹茶のセットをいただきました。おしるこの中には白玉が5個入っていて、横には温かい抹茶も付いています。
庭園を歩き回って少し疲れていたので、甘いおしるこがおいしかったです。
和館の中庭と大広間を見学

縁側から中庭を撮影。石灯籠や大きな手水鉢が置かれ、周囲には庭石や小さな植え込みが配置されています。
奥には洋館の白い外壁も見えていて、和館と洋館が隣り合って建っていることが分かります。

先ほどの中庭を少し近くから撮影。大きな石の手水鉢には水がたまり、上には竹製の柄杓が置かれています。
その奥には石灯籠があり、右側には竹製のすのこのようなものも見えました。庭の向こうには洋館の窓や柱も見えています。

こちらは和館の大広間です。奥には大きな床の間と違い棚があり、季節の花が生けられています。
和館は書院造りを基本とした建物で、完成当時は洋館よりも大きかったそうです。現在は大広間を中心とした一部が残されています。

床の間に飾られた生け花を近くから撮影。黄色やピンク色の菊が使われ、背景には富士山が描かれた淡い色合いの日本画が見えます。
旧岩崎邸の和館には、日本画家の橋本雅邦が下絵を描いたと伝えられる障壁画も残っているそうです。

部屋の隅には、小さな行灯(あんどん)が置かれていました。細長い四角形の行灯で、白い面から温かみのある光が漏れています。
奥には木製の違い棚があり、床の間とは違った造りになっていました。

和室から外を眺めている男性がいました。大きく開いた障子戸の向こうには芝庭が広がり、中央には枝を広げた大きな木が見えます。
庭では若い人たちも散歩していて、皆さん思い思いに過ごしているようでした。
広い芝庭から洋館と和館を眺める

和館を出て、広い芝庭にやってきました。芝生の周囲には大きな木々が並び、その向こうには湯島ハイタウンが見えます。
最初に見たマンションを、今度は庭園側から撮影できました。これだけ広い庭のすぐ隣に、大きなマンションが建っているんですね。

庭の中央から、先ほどまで見学していた洋館を撮影。こちら側には1階と2階に長いベランダがあり、白い柱がずらりと並んでいます。
右側には、あとで見に行く撞球室(ビリヤード室)も見えました。正面から見た洋館とは、かなり違った外観です。

こちらは芝庭から見た和館です。大きな瓦屋根の建物で、庭に面した部分には長い縁側が続いています。
中央には立派な木が枝を広げ、建物の一部が隠れるほどの大きさです。先ほどの洋館とは、建物の造りがまったく違いますね。

庭の奥には、日本庭園も残されていました。こちらには大きな石灯籠があり、周囲には庭石やモミジが配置されています。
石灯籠は脚の部分が大きく開いた独特の形で、かなり存在感があります。

青々としたモミジの葉を撮影。まだ10月なので紅葉は始まっておらず、きれいな緑色の葉が枝いっぱいに付いています。
背景には和館が見えますが、こちらは大きくぼかしてみました。
撞球室(ビリヤード室)を見学

最後に、洋館の隣にある撞球室(ビリヤード室)を見に行きました。こちらもジョサイア・コンドルの設計ですが、洋館とは違い、スイスの山小屋をイメージした木造建築だそうです。
正面には大きな屋根が張り出し、上部には半円形の窓が並んでいます。ちなみに、この撞球室は洋館と地下道でつながっているそうです。
今回は御徒町から湯島ハイタウンを通り、旧岩崎邸庭園の洋館、和館、ビリヤード室を見学してきました。
洋館の細かな木彫りや金唐革紙、和館の日本庭園など、見どころが多く、写真もたくさん撮れました。
途中でいただいたおしるこもおいしかったです。旧岩崎邸庭園の紅葉時期の様子はこちらの記事で紹介しています。続いて、清澄庭園へ向かいます。

今回の散歩スポット
| 施設名 | 旧岩崎邸庭園 |
| 住所 | 東京都台東区池之端1丁目3-45 |

