
東京国立博物館から谷中、湯島天満宮、本郷、神田まで散歩してきました。あいにくの曇り空でしたが、まずは上野公園にある東京国立博物館からスタートです。
博物館では東洋館や本館の展示を見学し、そのあと谷中の街並みや湯島天満宮の梅などを見ながら歩いていきます。
東京国立博物館の東洋館を見学

まずは東京国立博物館の東洋館へ。東洋館では、中国や朝鮮半島、東南アジア、インド、エジプトなどの美術品や考古遺物が展示されています。
照明を落とした広い展示室には、たくさんの石像や石彫が並んでいました。

こちらはカンボジアの仏教美術に見られる、ナーガに守られた仏像です。中央には瞑想する仏様が座り、その背後では大きな蛇のナーガが頭を広げています。
左右にも人物像が彫られていて、細かな装飾が施されています。
ナーガはインドや東南アジアの神話に登場する蛇の神様で、仏様を守る存在として表されることもあるそうです。

こちらも東南アジアの石彫です。象の頭や人物、植物の模様などが立体的に彫られています。かなり細かい部分まで彫刻されていて、近づいて見ると迫力があります。

こちらはヒンドゥー教の神像です。頭には細かな装飾のある冠をかぶり、大きな耳飾りを付けています。
腕には円盤のようなものを持ち、反対側には法螺貝のようなものも見えます。落ち着いた表情ですが、かなり大きな石像です。

続いて、アジアの絨毯や織物の展示です。赤や茶色を中心とした織物が壁に並んでいます。
中央には菱形の模様が入ったものもあり、地域によってデザインが違うようです。

こちらは絵画や書画が並ぶ細長い展示室です。左右の壁に作品がずらりと展示され、奥まで通路が続いています。
一つ一つの作品には照明が当てられていて、落ち着いて鑑賞できるようになっていました。
エジプトの女神像とミイラ

こちらは古代エジプトの「セクメト女神像」です。ライオンの頭と人間の体を持つ女神で、2体が並んで展示されていました。
セクメトは戦いや疫病などに関係する強い力を持つ女神とされているそうです。ライオンの顔ですが、どこか穏やかな表情にも見えます。

こちらは古代エジプトのミイラです。手前には布に包まれたミイラがあり、頭の部分も見えています。
奥には人の形をした棺も展示されていました。何千年も前の人の姿が、こうして残っているのは驚きです。
ガンダーラ美術と中国の陶磁器

こちらはガンダーラ美術の菩薩立像です。頭には装飾があり、体には布をまとっています。
鼻筋の通った顔立ちや、衣服の細かなひだが特徴的です。ガンダーラの仏像はギリシャ・ローマ美術の影響を受けているそうです。

こちらは頭部と腕の一部が失われた大きな仏像です。座った姿勢で、衣服のひだが細かく表現されています。
手足の一部が欠けていますが、石像の大きさや造形は十分に分かります。

こちらは中国・唐時代の「唐三彩(とうさんさい)」のラクダです。白や黄色、緑色の釉薬が使われていて、背中には荷物を積んでいます。
ラクダの表情も細かく作られています。唐三彩は、唐の時代に墓へ納める副葬品などとして作られた陶器だそうです。

中国の陶磁器も展示されていました。左側には赤い壺が2つ、中央には梅の花が描かれた小皿、右側には青い染付の大皿が並んでいます。
同じ陶磁器でも、色や模様がずいぶん違いますね。

先ほどの赤い壺を近くから撮影しました。深い赤色の釉薬が特徴で、上部は鮮やかな赤、下部は少し暗い色になっています。
表面には光沢があり、色の変化もきれいです。
モンゴルの伝統遊び「シャガイ」を体験

展示室の一角には、モンゴルの伝統遊び「シャガイ」の体験コーナーがありました。羊やヤギのくるぶしの骨を使った遊びだそうです。
机の上には小さな骨がいくつも置かれ、指で弾いたり投げたりして遊ぶようです。

こちらはシャガイの遊び方の説明です。骨の向きによって馬、ラクダ、羊、ヤギの4種類に見立てるそうです。
おはじきのように弾く遊びや、骨を投げて出た向きを競う遊びなどが紹介されていました。動物の骨を遊び道具にするというのも、なかなか面白い文化ですね。

こちらは中国の画像石と思われる石彫です。大きな石板の表面に、人物や動物、建物などの模様が彫られています。
石の側面にも細かな絵が刻まれていました。かなり大きな展示物です。

こちらは赤い漆塗りの箱です。少し変わった形をしていて、上部には山水画のような絵が描かれています。
側面には金色の模様が細かく施されていて、かなり豪華な造りです。
東京国立博物館の本館を見学

東洋館を見学したあとは、本館へ向かいます。東京国立博物館の本館は1938年に完成した建物で、国の重要文化財に指定されています。大きな瓦屋根と石造りの外壁が特徴的です。

本館は「日本ギャラリー」となっていて、日本の美術品を中心に展示しています。仏像や絵画、陶磁器、刀剣など、さまざまな文化財を見ることができます。

本館に入ると、大きな中央階段があります。左右に分かれた石造りの階段で、正面の壁には装飾の付いた時計が掛けられています。
天井や照明も立派で、建物そのものにも見どころがあります。

こちらは甲冑を身に着けた毘沙門天像です。足元には邪鬼がいて、その上に立っています。片手には小さな宝塔を持ち、厳しい表情をしています。
毘沙門天は仏教を守護する四天王の一尊で、財宝や福徳の神としても信仰されているそうです。

こちらは横たわる姿の仏像です。右手で頭を支え、体を横にして休んでいるように見えます。
釈迦が亡くなるときの姿を表した「涅槃仏(ねはんぶつ)」です。衣のひだや頭の細かな螺髪まで、丁寧に彫られています。

こちらも迫力のある仏像です。甲冑を身に着けた天部像で、背後には炎を表した光背があります。
片手には長い三叉の武器を持っています。顔の表情や鎧の装飾も細かく作られていました。

本館の展示室を進んでいきます。こちらには工芸品がガラスケースに並び、見学している人たちがいました。
照明を落とした展示室で、一つ一つの作品がライトアップされています。

こちらは昔の写真や歴史資料の展示です。壁には古い建物や街並みの写真が飾られ、中央のケースにも写真がずらりと並んでいます。
こうした古い写真を見るのも好きなので、つい足が止まります。
東京国立博物館の庭園を散歩

博物館の庭園にも出てみました。池の周囲には大きな木や丸く刈り込まれた植木が並び、奥には茶室が見えます。
東京国立博物館の庭園には、各地から移築された茶室が点在しているそうです。この時期は落葉している木も多く、池の周りは落ち着いた雰囲気でした。
再び本館の日本美術を見学

再び本館へ戻り、日本画の展示を見ていきます。こちらには松や風景を描いた屏風、人物画の掛軸などが並んでいました。
長い展示ケースに作品が並び、じっくり見ている人もいます。

こちらは金属工芸品の展示室です。大きな花瓶や香炉、鳥をかたどった置物などが展示されています。
展示品の周囲にはガラスケースが設けられ、いろいろな角度から鑑賞できるようになっていました。

大きな青銅製の花瓶が2つ並んでいました。左右対称に置かれていて、表面には植物や動物の装飾が施されています。
中央には白い花瓶と金色の壺も並んでいます。かなり豪華な展示です。

こちらは金属製の鷲の彫刻です。かなり近くまで寄って撮影してみました。黄色い目と鋭く曲がったくちばしが特徴的で、羽の一枚一枚まで細かく表現されています。
本物の鳥のような迫力があります。

こちらは洋画の展示です。人物を描いた油彩画が並び、多くの人が作品を鑑賞していました。日本画とはまた違った色使いや筆の表現が楽しめます。

ミュージアムショップものぞいてみました。美術や歴史に関する書籍、図録、ポストカードなど、たくさんの商品が並んでいます。
奥には2階の書棚もあり、なかなか広いショップです。

さらに別の展示室も見ていきます。長い通路の左右にガラスケースが並び、絵画や書画などが展示されています。
東京国立博物館は展示室が多く、全部をじっくり見るにはかなり時間が必要ですね。

こちらは木製の建具や模様入りの壁紙が印象的な展示室です。中央の展示ケースには小さな工芸品が並んでいて、多くの人が見学していました。
天井には大きな照明が吊るされ、部屋そのものも凝った造りになっています。

こちらは小さな筒状の工芸品です。表面には鳥が飛んでいるような模様が描かれ、上下には紐が付いています。
細かな模様がきれいだったので、近くから撮影しました。
谷中の街並みとヒマラヤスギ

東京国立博物館を出て、谷中方面へ歩いていきます。途中、落ち葉の上で休んでいる三毛猫を見つけました。
竹の支柱のそばに丸くなって座り、こちらをじっと見ています。白と黒、茶色の毛がはっきり分かれた三毛猫です。

こちらは谷中にある和菓子店「桃林堂」です。白壁に瓦屋根の昔ながらの建物で、入口には木製の暖簾が掛かっています。
「桃林堂」と書かれた看板もありました。周囲の街並みにもよく合った建物です。

谷中で有名なヒマラヤスギです。大きな木が住宅街の真ん中にそびえていて、枝が左右いっぱいに広がっています。
当時の樹齢は90年近くといわれていて、谷中のシンボル的な存在だそうです。隣には昔ながらの「みかどパン店」があります。
もともとはお店の前に置かれた鉢植えの木が、ここまで大きく育ったという話もあるそうです。ずいぶん大きくなったものですね。
※この木について後からネットで調べていたら、全国の巨大な木を撮影している方のすごいサイトを見つけました。

谷中を歩いていると、猫の置物がたくさん並ぶお店がありました。こちらは猫雑貨やカフェのお店「ねんねこ家」です。
入口の周りには招き猫や猫の看板、猫のイラストがびっしりと並んでいます。いかにも谷中らしいお店ですね。

谷中銀座商店街にやってきました。道の両側に昔ながらのお店が並び、多くの人でにぎわっています。
外国人観光客の姿も目立ちます。細い商店街に人がびっしりと並んでいて、なかなかの混雑です。
湯島天満宮の梅を見ながら参拝

谷中から湯島へ移動し、湯島天満宮にやってきました。こちらは大きな石鳥居です。鳥居の中央には「天満宮」と書かれた額が掲げられています。
湯島天満宮は学問の神様として知られる菅原道真を祀る神社です。

境内では梅が咲いていました。こちらは梅園で、紅梅と白梅が点々と咲いています。中央には小さな滝があり、岩や植木を組み合わせた庭園になっていました。
湯島天満宮では梅まつりも開催されていて、梅を見に来た人たちでにぎわっていました。

こちらは白梅と小さな石橋です。石橋には木製の手すりがあり、その上に白梅の枝が伸びています。
奥には紅梅も咲いていました。梅の花を探しながら歩くのも楽しいです。

湯島天満宮の拝殿です。この日はかなりの人出で、参拝する人が列を作っていました。
拝殿の屋根や柱には細かな装飾が施されています。受験シーズンということもあり、合格祈願に訪れている人も多そうです。

拝殿の横には大量の絵馬が掛けられていました。木製の絵馬が何重にも重なっていて、ものすごい数です。さすが学問の神様として有名な湯島天満宮ですね。
東京大学の赤門を見学

続いて、東京大学本郷キャンパスの赤門にやってきました。赤く塗られた木造の門で、大きな瓦屋根が特徴です。
正式には「旧加賀屋敷御守殿門」といい、1827年に加賀藩主・前田斉泰が徳川家斉の娘を迎える際に建てられたものだそうです。
東京大学の象徴としても有名な門ですが、近くで見るとなかなか立派です。
本郷の金魚屋「金魚坂」へ

本郷の街を歩いていると、有名な金魚屋さんがありました。こちらは「吉田晴亮商店(金魚坂)」です。
創業350年という老舗の金魚屋さんで、入口には大きく「金魚」と書かれた旗が立っています。どんな金魚がいるのか、少しのぞいてみます。

店内には金魚の水槽がずらりと並んでいました。赤と白の模様が入った琉金やサラサ琉金など、さまざまな種類の金魚が泳いでいます。
水槽には種類や値段も書かれていて、1匹数千円するものもありました。

こちらにもたくさんの金魚がいました。目の下に大きな袋がある「水泡眼(すいほうがん)」や、尾びれの長い琉金などが泳いでいます。
見慣れた金魚とは違う種類も多く、見ていて飽きません。

屋外にも金魚の飼育容器がたくさん並んでいました。青い容器や丸い鉢の中に、小さな金魚が泳いでいます。
水槽の中には水草も入っていて、すぐ横には大きな網が置かれていました。

こちらでは金魚釣りも楽しめるようです。細長い池の横に木製のベンチが並び、子どもや大人が釣り糸を垂らしていました。
普通の釣り堀とは違い、金魚を釣るというのは面白いですね。
夜の神田まで散歩

日も暮れたので、神田方面へ歩いていきます。こちらは神田橋の歩道です。高架下には大きな照明が取り付けられ、道路の向こうにはビルの明かりが見えています。

神田のビルの間には、小さな神社もありました。石造りの鳥居の奥には木製の祠があり、紫色の幕が掛けられています。
周囲をビルに囲まれた細い場所にあり、街中にこうした神社が残っているのは面白いですね。夜は神田まで歩いて、ご飯を食べて帰りました。
今回は東京国立博物館でたくさんの美術品を見たあと、谷中のヒマラヤスギや湯島天満宮の梅、本郷の金魚屋など、いろいろな場所に立ち寄ることができました。
博物館だけでもかなり見応えがありましたが、そのあとの街歩きも楽しめた一日でした。
今回訪れた場所
| 施設名 | 東京国立博物館 |
| 住所 | 東京都台東区上野公園13-9 |
| Webサイト | https://www.tnm.jp/ |
読んだ感想を教えてください
気に入ったボタンを押してください。複数選択できます。もう一度押すと取り消せます。
