明治の面影が残る旧岩崎邸庭園を散歩してきました

湯島ハイタウン

御徒町駅から旧岩崎庭園へ向かう途中、目の前に白く大きな建物が現れます。これが有名な湯島ハイタウン。昭和の時代に建てられたマンションですが、今もどっしりとした存在感があります。

 

湯島ハイタウン

マンションの裏側に回ると、窓が整然と並んだ独特の外観が目を引きます。ベランダがなく、エアコンの室外機が壁に取り付けられているのも特徴的。

 

エアコン取り付け

外壁にはエアコンの室外機がずらりと並んでいます。こんな場所にどうやって取り付けるのか、とても興味がわきます。

通常のエアコン業者ではなく、やはり専門の作業チームが行うのでしょうか。

 

岩崎庭園入口

歩いていくと、旧岩崎庭園の門の前に到着しました。石垣に囲まれた静かな入口で、ここから先は一気に雰囲気が変わります。

 

旧岩崎庭園の案内図

入口を入るとすぐに見取り図がありました。敷地内には洋館・和館・ビリヤード室の3つの建物があり、それぞれに異なる雰囲気を楽しめるようです。

 

旧岩崎庭園の洋館

入場券を購入して洋館の前までやってきました。芝生の上には背の高い木が並び、ここだけ南国のような雰囲気です。

 

入り口

洋館の入口から中へ入っていきます。重厚な木の扉と赤いじゅうたんが印象的で、まるで明治時代にタイムスリップしたような雰囲気です。

 

暖炉

館内に入ると、入口近くに暖炉がありました。木製の枠と落ち着いた色合いが印象的で、この洋館の雰囲気によく合っています。

 

廊下には大きな窓が並び、やわらかな光が差し込んでいました。壁の黄色と赤いじゅうたんの色合いがどこか温かく、静かな時間が流れる空間です。

 

振り返ると、入口からの光が奥のほうまで届いていました。照明の落ち着いた明るさと相まって、ゆっくりと建物の雰囲気を味わえる場所です。

 

生け花

ホールの中央には生け花が飾られていました。淡い照明に照らされた花々が空間に彩りを添え、静かな館内の中でひときわ目を引きます。

 

暖炉

こちらの暖炉は、先ほどのものとは違い、全面が石でできています。しっかりとした造りで、形もひと回り大きく見えました

 

ホールを出て廊下を歩きます。壁紙やカーテンの模様がどこか上品で、時代を感じさせる空間です。

 

こちらの部屋では「日本の近代建築の夜明け」という映像を見ることができます。赤い壁紙とカーテンに囲まれた空間で、建物の歴史を知ると、この洋館の魅力がより深く感じられます。

 

天井の中央にある木製の彫刻。光を受けて模様が浮かび上がります。

天井を見上げると、木で作られた彫刻が施されていました。中央の円形部分には複雑な模様があり、光の当たり方で陰影が浮かび上がります。

 

ストーブ

部屋を出ると、廊下の一角に暖房器具が置かれていました。金属製の本体には模様が施されていて、実用的でありながらデザインにもこだわりを感じます。明治の建物らしい美しさと機能性の両立ですね。

 

椅子が3つ

洋館の端のほうまで進むと、大きな窓のある明るい部屋に出ました。窓際には革張りの椅子が並んでいて、当時ここから庭を眺めていたのだろうと想像します。

 

柱に施された彫刻

2階へ向かう階段のそばには、模様の入った柱が立っています。花や曲線をモチーフにしたデザインで、建物全体に統一感があり、細部まで丁寧に作られているのが伝わってきます。

 

2階へ続く階段

2階へ続く階段です。手すりの柱ひとつひとつに模様が彫り込まれていて、建物全体の雰囲気を引き立てています。

 

洋館の一室

2階の部屋までやってきました。壁一面には金唐革紙(きんからかわし)が使われており、落ち着いた雰囲気の中にも上品な華やかさを感じます。

 

革製の金屏風

金唐革紙を実際に手で触れられる展示もあります。

金唐革紙は、凹凸の模様をつけた紙に箔や彩色を施したもので、高級壁紙として使われていました。もともとは「金革紙(きんかわがみ)」や「金唐壁紙」と呼ばれていましたが、昭和初期以降に「金唐革紙」と呼ばれるようになったそうです。

 

革製の金屏風拡大

金唐革紙を近くで見ると、細やかな模様の凹凸があり、職人の手仕事の丁寧さと高い技術を感じます。

 

洋館2階の出窓3つ

2階の奥の部屋までやってきました。暖炉と三面のガラス窓があり、外の緑がよく見える開放的な空間です。

 

洋館2階一室

隣の部屋までやってきました。先ほどの部屋とは壁紙のデザインが異なり、こちらは少し明るい印象です。

 

洋館2階のベランダ

2階のベランダに出てみました。柱が並ぶ回廊のような造りで、庭園を見渡すことができます。

 

2階から中庭を覗く

訪れたときには、地元の保育園の子どもたちと思われるグループが、庭で楽しそうに遊んでいるのが見えました。

 

洋館の家具

廊下の一角には円形テーブルと椅子が並べられ、季節の花が飾られていました。落ち着いた空間の中で、赤い実の鮮やかさがひときわ目を引きます。

 

洋館のステンドグラス

少し進むと、扉には色鮮やかなステンドグラスがはめ込まれていました。

 

洋館の階段

入ってきた入口の前を通り過ぎ、和館へと向かいます。

 

日本家屋の廊下

途中から廊下は和の空間へと変わります。

 

家の建物の内側に作られた日本庭園

廊下の窓を覗くと、建物の中に趣のある庭が広がっていました。

 

日本家屋の中にある花

途中の廊下には、美しい花が飾られています。

 

日本家屋の中にある売店

和館の中には売店があります。

 

お汁粉と抹茶

折角なので、売店で販売されていた温かいおしることお茶のセットをいただきました。やさしい甘さと香ばしいお茶の香りに、ほっと心が落ち着きます。

 

家に囲われた中庭

縁側から外を見ると、手入れの行き届いた中庭が広がっていました。灯籠や手水鉢が置かれ、落ち着いた和の雰囲気が漂います。

 

旧岩崎庭園の蹲

奥に進むと、手水鉢と石灯籠が見えるます。木々の間からは洋館の外観も見え、和と洋が調和した風景が楽しめます。

 

日本家屋の内側

奥の和室には床の間があり、照明のやわらかな光と相まって、静かで落ち着いた雰囲気です。

 

背表紙

床の間には季節の花が生けられ、奥の壁には山の絵がうっすらと見えます。

 

室内ライト

部屋の隅には、小さな行灯(あんどん)の明かりが灯っていました。柔らかな光が畳に反射し、静かな和室にぬくもりを添えています。

 

日本家屋内から中庭を除く

和室から外を眺める初老の男性の姿が印象的でした。庭では修学旅行生と思われる若い人たちが楽しそうに過ごしており、世代の違う時間が同じ景色の中で穏やかに重なっていました。

 

中庭

庭に出ると、一面に芝生が広がっていました。奥に見えるのは、来るときに通った湯島ハイタウン。明治の洋館と昭和の高層住宅が、時代を越えて並ぶ光景が印象的です。

 

洋館側

庭の中央から振り返ると、先ほどまで見学していた洋館とその奥にビリヤード室が見えます。

 

日本家屋

こちらは和館です。洋館とはまた違って、木のぬくもりと庭の緑が溶け合うような静けさがあります。

 

大きな灯籠

庭の奥には日本庭園が広がっています。立派な石灯籠が印象的で、木々の緑と苔むした石が落ち着いた雰囲気をつくっています。

 

緑のもみじ

庭園内から和館を見た様子です。青々としたモミジの葉が手前にかかり、奥に見える和館の落ち着いた雰囲気をやさしく包み込んでいます。

 

ビリヤード場

こちらはビリヤード室です。洋館や和館とは少し離れた場所に建てられており、外観は落ち着いた木造づくり。

 

明治の面影を色濃く残す旧岩崎邸庭園。洋館・和館・ビリヤード室と、それぞれに趣の異なる建物が並び、当時の華やかな暮らしぶりを今に伝えています。

静かな廊下を抜けると、手入れの行き届いた庭や季節の花が迎えてくれ、都会の真ん中とは思えないほど穏やかな時間が流れていました。

抹茶とおしるこをいただきながら眺める庭の景色もまた格別で、日常の喧騒を忘れさせてくれます。訪れるたびに新しい発見がある、そんな場所でした。

紅葉時期の様子は下記ページをご覧ください。

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今回の散歩スポット

施設名 旧岩崎庭園
住所 東京都台東区池之端1丁目3-45

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